セキュリティ
ネットワーク制御、承認と Auto Review、ID とサインイン、ログ、データの保持と所在、モデル、手元 PC での実行、プロンプトインジェクション対策。
Grok Bot を組織に入れてよいか、Bot が何にアクセスし、何を変え、何を残すのか。それを決めるための仕組みをまとめたページです。管理画面の多くの項目は Enterprise 限定です。導入手順はチームと企業へ。
全体像
アプリからのリクエストは Cursor のサーバーに届き、作業はメンバーのクラウドコンピューターで、推論はモデル提供元で、外部サービスへの操作は接続したアプリ経由で行われます。それぞれの経路に制御があります。
ネットワーク制御(Enterprise)
Grok Bot Network Access で通信先を制限します。
- Allow All Network Access:すべて許可(方針がないチームの既定)
- Defaults + Team Allowlist:Cursor の既定の通信先 + 自社の許可リスト
- Team Allowlist Only:自社の許可リスト + 動作に必要な最小限
ドメインや IP 範囲で指定でき、変更は動いているコンピューターに約 1 分で反映されます。
- アプリをブロックしても、そのサービスの Web サイトはブロックされません。 両方を塞ぐにはコネクタ方針とネットワーク方針の両方が必要です
- リモートの MCP サーバーは Cursor のサーバーから接続するため、Apply to MCP servers をオンにしないと許可リストの対象になりません。オンにする前に、GitHub なら
api.github.com、X ならapi.x.comなど、組み込みコネクタの通信先を追加しておきます
送信元 IP
クラウドコンピューターは、Grok Bot の利用者全体で共有する固定の送信元 IP を使います。顧客専用の IP はないので、「Grok Bot からの通信」を見分ける目印として扱います。
承認と Auto Review
承認
重要な操作の前に、操作内容と入力が表示されます。
- Allow once:今回だけ許可
- Always allow:同じ操作を今後も許可するルールを保存
- Deny:止める。次にメッセージを送るまで再試行しません
承認するのは「これから行う操作」です。対象や影響がわからない操作は承認しないこと。
Auto Review
独立した審査モデルが、シェルコマンド、アプリの呼び出し、画面操作、ルーティン、委任といった危険になり得る操作を、実行前に「進める・承認を求める・拒否する」に振り分けます。
- 個人のルールは 設定 → General → Auto-review の Custom Rules で追加
- Ask first:必ず止まる
- Allow automatically:他に止める理由がなければ進める
- 衝突したら Ask first が優先。ルールは狭く、具体的に
- 記憶の書き込みや多くの設定変更は審査対象外です。承認、ネットワーク方針、ユーザー分離と組み合わせて使います
ID とサインイン
- メンバーは Cursor アカウントでサインインし、SAML SSO(Okta、Entra、Google Workspace、OneLogin)が使えます
- Bot はサインインしているメンバー本人として動き、本人以上の権限は持ちません
- アプリの OAuth トークンは Cursor 側に保管され、Bot にもコンピューターにも渡りません
認証情報はモデルに渡らない
- ログインは Vault、パスワードマネージャー、Secure Form から参照で入力され、モデルはパスワードやカード番号を受け取りません
- SSO やパスキーは、Bot がメンバーにコンピューターを渡して本人が操作します
- API キーは値を隠すシークレット入力カードで受け渡します
- Vault に保存したカードは支払いのたびの承認なしで使われます。毎回承認したいなら保存しないこと
アクセスを終わらせる
コンピューターの停止ではアクセスは消えません。メンバーをチームから外すかグループで無効にし、ID プロバイダーでセッションを取り消します。メンバー自身は、ルーティンの停止、サイトからのサインアウト、アプリ接続の解除、/workspace の機密ファイル削除で後片付けします。
ログ(Enterprise)
- Audit logs:管理・セキュリティ・認証のイベントと、Bot 作成や共有変更などの操作
- Action Recording:Bot の操作の記録(既定でオフ、90 日保持)。シェルコマンドは秘密情報を除去し、画面や入力内容は記録しません
- OpenTelemetry Export:自社の収集基盤に送る
データ
- コンピューターのファイルとブラウザのセッションは、永続ディスクに残ります(トークンは保存されません)
- 使われていないコンピューターは自動で休止しますが、削除ではありません
- 契約終了後、書面での指示から 30 日以内にデータを削除または返却
- コンピューターは米国で動いており、米国内でのデータ保持プログラムがあります
モデル
- モデルは選べません。 タスクごとに SpaceXSI の自社モデルか、委託先一覧にある他社のモデルが使われ、組み合わせは変わることがあります
- チームのモデル許可リストは Grok Bot には適用されません
- Privacy Mode がオンなら、顧客データは学習に使われません
手元 PC での実行
デスクトップアプリ経由で、Bot が手元の PC でコマンドを実行したりファイルを移したりできます。既定はコマンドごとに承認で、設定 → Computer → Your computer で「毎回確認 / 常に許可 / 許可しない」を選べます。特別な理由がなければ「許可しない」が推奨です。
提供形態
Cursor のクラウドでのみ動きます。オンプレミスや自社環境、独自イメージでの運用はできません。
プロンプトインジェクション
Web ページやアプリの結果、コマンドの出力に、Bot を操ろうとする文章が含まれることがあります。対策は重ねがけです。
- Auto Review が、操作をメンバーの依頼と照らして確認する
- ネットワーク方針、操作ごとの承認、ユーザー分離は、モデルの判断に依存しない
- 外部の内容は「信頼できないデータ」として印をつけてモデルに渡す
- Inference Hooks で事前にふるい分けできる
それでもリスクはゼロにならないので、結果の重い操作は承認の後ろに置くのが基本です。
認証
Cursor の親会社 Anysphere は ISO/IEC 27001 と ISO/IEC 42001 を取得しており、Grok Bot も対象範囲に含まれます。